私が広告代理店に勤めていた当時、相場ならば最低でも30万円はする下請けデザイナーへの代金を4万5,000円に「交渉」したことがあります。クライアントのリクエストを叶え、かつ自社の利益を確保するにはこの額しかなかったのです。プログラマ出身で「モノヅクリ」の側にシンパシーを覚える私の心は痛みましたが、広告代理店の営業マンとして職責と言い聞かせて歯を食いしばります。交渉がまとまったことを上司に報告すると次のようにつぶやきます。
そうか、(その金額で)できるんだ
そして、他の案件まで値引きさせようと目が輝きます。さすがにこれは身をていして止めましたが「差額」で稼ぐビジネスモデルは常に支払いを少なくしたいという本能を持っているのです。
私が代理店経由の仕事を受けなかった理由がこの差額ビジネスモデルです。今の関係が良好でも「値下げ交渉」に巻き込まれるのは火を見るよりも明らかで、これを「めんどうだなぁ」と避けたことが最大の理由です。
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